3月も下旬に近づき、来年度の雇用関係助成金の情報がポツポツ出てきました。
大きなところでは、「人材確保等支援助成金(働き方改革支援コース)」が創設されます。これは、「時間外労働等改善助成金」のいずれかのコースを実施し、助成金を受給していることを条件に、新たに正社員を雇い入れ、雇用管理改善に取り組んだ際に支給されます。
時間外労働等改善助成金は、中小企業事業主が時間外労働の上限規制等に円滑に対応するため、生産性を高めながら労働時間の短縮等に取り組む事業主に対して助成するものとされています。①時間外労働上限設定コース、②勤務間インターバル導入コース、③職場意識改善コースがありますが、実務的に一番取り組みやすいのは、②勤務間インターバル制度導入コースでしょう。
支給額は、1人600,000円(短時間勤務者は400,000円)1年度10人が上限となるようです。
ただ、これだと、キャリアアップ助成金の正社員化を狙った方が確実な気がしますが、キャリアアップ助成金の場合、正社員に転換した際に、給与を5%引き上げなければならないため、そこがひとつハードルになります。
もうひとつ取り組みやすそうなものは、女性活躍推進をテーマにした助成金です。
「両立支援等助成金(女性活躍加速化コース)」は、自社の女性従業員活躍のための計画を作り、それに沿った取り組みを実施して目標を達成した場合に支給されます。取り組みしたときと、目標達成したときの二段階で支給される助成金で、金額はそれぞれ最大360,000円で、合わせて720,000円です。
例えば、自社の女性活用の課題に「女性管理職が少ない」ということがあるとすると、それを解決するために女性幹部候補向けのセミナーを受講してもらい、さらにそこから女性管理職を登用することで受給が見込めます。来年度は、この「両立支援等助成金」の女性活躍加速化コースの支給額が増額される予定となっています。
その他、キャリアアップ助成金で、パートタイマーの所定労働時間を増やして社会保険を適用させたときに支給されるものがありますが、あまり使えないでしょう。
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KOMACHI労務事務所
社会保険労務士
宮崎 秀一郎