評価制度の肝は、運用にあります。
最初の構築はある程度で良いと考えています。打ち合わせに多大な時間を費やし、現場のインタビューも重ね、あまりに緻密に細かく作り込みすぎて、完成したときにはすでに現場は息切れ状態。社長は、出来上がった分厚い評価制度のファイルを見てご満悦ですが、作った人たちに運用するスタミナは残っていません。こうした例は、枚挙に暇がありません。
ある程度の作り込みで、まずはとにかく運用をスタートさせる。ここが肝心です。作り込みに時間をかけ過ぎると、評価制度を導入しよう!という熱が冷めてきます。鉄は熱いうちに打て。まずは始める。そうして、運用していくうちに、必ず不具合が出て来るので、それを修正してまた運用する。修正点はその都度見直していく。
最初から完璧なものを作り上げようとすると、導入までのハードルが非常に高くなります。あれやこれやと心配になり、なかなか導入に踏み切れないまま時間が過ぎていく。
スマホのアプリなども、最初から完璧なものはありません。アップデートを繰り返していくなかでバグなど不具合を修正していきます。そうして、完成度を高める。
ひとを対象にした人事制度である以上、完璧はありません。どんな事態を想定しても、想定外のことは起こります。運用していくなかで完成度を上げていく方が確実なのではないでしょうか。