介護離職者10万人の憂鬱

介護離職は、今回首相になった菅さんも優先度の高い取組みとして挙げている通り、少子高齢化の日本において、切実な問題です。介護離職100,000人の経済損失は実に6,500億円とも言われており、これは仙台市の今年度一般会計の予算(コロナ関連の補正を含めた)約6,800億円に匹敵します。イメージ的には、仙台市の人たちがみんな1年間なんの経済活動もしないで、ぼーっとしてる感じでしょうか(違いますかね)。

 

育児と違い、介護は先が見えないことも大きな特徴です。育児は、保育園や幼稚園の入園、小学校までとおおよその見通しが立てられますが、介護はいつ終わるか分かりません。その期間は、平均して10年とも言われています。

 

会社や当事者を取り巻く周りのサポートもさることながら、自分が無理をしない環境づくりが大切です。相談出来ずに抱え込んでしまい、精神的に疲弊してしまうことが多いからです。介護休業や介護休暇を、自分で介護をする時間ではなく、施設を探したり、ケアマネジャーとケアプランの話し合いをする機会と捉えると良いかも知れません。仕事と介護の両立を考える時間も必要です。

 

介護=離職の図式になってしまうと、人材の流出による損失だけでなく、ほかの従業員にも負担がのしかかります。そうならないためにも、介護について会社が理解を示し、公的な給付制度を活用しながら周りのフォローによってチームで乗り越えていく。従業員の家族関係や状況を把握しておくことも、大事な人事の役割です。

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